いい本紹介№1  有田和正「教え上手」

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▼このところ、三重県の教職員の方や大阪の大学生や中学生の子供を持つ保護者の皆さんから、社会科の授業の事でメールが来る。なんだろうと思うと。私が昔つくって授業で活用していた、「歴史スーパーフリント」が人気があるようだ。ネットで見たので、ぜひプリントを頂けませんかというものだ。

▼「スーパープリント」は、教師をやっていた時代に歴史の流れをまとめたものだが、受験前には何度も繰り返して基本的な歴史の流れを学んだ。以前、卒業生から大学受験でも役に立ったという事も聞いた。よくわからないが口コミで、ネット上でいろいろなルートで広まっているようだ。

▼もう教育現場にいないので、先生方に対して、子どもたちの学習のまとめにという意味で、お分けしている。そんな中で、何人かの方とメールでやりとりした。


●中学校 拠点校指導員Aさん
 
今年度は、初任者の拠点校指導教員をやっています。
この4月から、以下のことを中心に授業参観を行ってきました。
声の大きさは適当か。話すスピードは適当か。表情豊かに話しているか。
板書がしっかりと出来ているか。机間指導をしているか。などなど、学習の本質とは
関係ない部分について観察してほめる。そして、アドバイスをするという感じで5ヶ月が過ぎました。
しかし、ねらいに沿った授業になっているかどうかということや、主発問についての
話、生徒の意見の活かし方などについては、専門外の教科で毎日戸惑っています。
そんな 時にネットで魅力ある授業づくりを調べていたところ、長谷川先生のホームページに出
会いました。先生の授業に対する熱い思い触れて、ぜひ他のプリントも見てみたいと
思い思わずメールをしました。 

●中学校 新採用教員Bさん
 
お返事、ありがとうございます。
私は今年1年目です。授業では、地理で北アメリカ州をしています。地理はなかなかイメージしづらいようで、どのように授業を進めたらよいか日々悩んでいます。
復習のために、私もプリントを作りたいと考えており、分野は異なるのですが、今回歴史スーパープリントを参考にさせていただきたいと思いました。
ありがとうございます。 



▼それぞれの方には授業に関しての技術や考え方を書いて返事を出させて頂いた。その最後に、教員時代に影響を受けた有田和正さんの本を紹介した。


▼有田さんは、愛知教育大や横浜国大にも在職しておられましたが、私は30台の後半で、有田さんに授業研究も何度か見て頂き、アドバイスをいただいた。その中で、授業のコツや課題解決の技術をずいぶん学んだ。学んだというより盗んだというのが正しいかもしれない。

▼有田さんの最近出された本で良い本がある。「教え上手」という本だ。この本は、教師だけを対象としたものではない。人とかかわる方なら誰でも意味を持つ本である。なぜを追求し、追求の鬼を育てるということ。「はてな」を大切にすることは、企業や社会の中での思考に役立つ。とりわけ、社会科はそういった学びを作り出してきた。有田さん流の授業術はおもしろいユーモアと好奇心を喚起させる。私もその流れを大切にしながら、授業作りをしてきた。

※「教え上手」 著作有田和正 (サンマーク出版)1500円 とてもいいですよ。 http://www.amazon.co.jp/%E6%95%99%E3%81%88%E4%B8%8A%E6%89%8B-%E6%9C%89%E7%94%B0-%E5%92%8C%E6%AD%A3/dp/4763199773 ぜひご一読ください。


書評より・・・・・

●教え上手な教師は技術と思いやる心やユーモアのある人間性を持つ   有田和正

教え上手な教師は技術と思いやる心やユーモアのある人間性を持つと有田和正(注)はつぎのように述べています。
「教え上手」と言われる教師に共通しているものは何か。私は長年の教員生活を通して、それを考えてきました。
 それを考えるには、二つの軸が必要です。ひとつは「技術」、そしてもうひとつが「人間性」です。
 指導力不足教師が問題となっています。彼らは教え下手の代表ともいえる存在です。二つの軸に当てはめて考えると、技術も人間性も低いということになります。

 技術がないので、わかりやすく説明することができない。人間性も低いので教わる子どもを思いやることもできない。これでは指導力不足といわれてもしかたがありません。
 このことから、「教え上手」がどのような教師のことを指しているかおわかりでしょう。

 「教え上手」とはわかりやすく、そして、教わる人に学びたいと思わせる「技術」を持ち、かつ、彼らを思いやるような心とユーモアを備えた「人間性」を持つ人のことを指すのです。

(注) 有田和正:1935年生まれ、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授を経て,東北福祉大学教授。教材・授業開発研究所代表。教材づくりを中心とした授業づくりを研究。


この本を読んで、改めて思う。

▼学校の先生たちが、必死になって頑張っている。その頑張っている姿を応援するために、私は議会に入ることをきめた。議会の中にいると、いろいろな課題にぶつかる。なかなか答えの見えないものがある。そういった困難な課題が自分を鍛える。

▼よくよく考えれば私は、「課題解決学習」を通じて、子どもたちに学びとその追求の仕方を教えてきた。たとえば、「調査し、足を運んで現場の声を聞く、さらに真実と嘘を見分ける力をつけること。そういった中で、なにが解決策なのか、どこに決着点をつけるのか課題の解決の方法が見えてくる。」というものだ。

▼有田先生はいう。 「わかる」の反対は「わからない」ではない。「わかる」の敵は「わかったつもり」だ。「わかったつもり」が、人が学ぶときの一番の障害になるということだ。

▼教師はいつの間にか、「わかったつもり」の子どもたちを多くつくろうとしているのでははないか。質問しても、答えが出ない。意見も出ない。それを良しとする教室からは、希望の種は出てこない。

▼また、教室の外ではより、「わかったつもり」が横行する。新聞やニュースで報道されれば、その事件や政策が、本当かどうか疑いもせずに、「わかったつもり」になる。

▼「わからない」ことを言い合い、なにが課題なのか、解決するためには何が必要なのかを議論することから、希望・勇気や夢が飛び出してくる。

▼「わからない」とか、「おかしい」とか思うことが、「わかる」ことへのスタートラインだ。答えのない時代だからこそ。 課題をきちんと捉え、判断していく力が求められる。










教え上手
サンマーク出版
有田 和正

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