知事の謝罪と新たな提案

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▼7月26日、午後7時半から、知事からの謝罪と新たな提案がありました。4月に、一度謝罪については了解したものの、3ヶ月にもわたって提案がされず、神奈川県も提案するものが見つからずに、「もう終わったもの」と思っていた町内会役員にとっては複雑な思いであった。「今頃なんだ」というのが正直な気持ちのように感じた。

▼国や県も、被災地の広域についても当初のような勢いもまったくなくなり、予想していた処理も4割の減。燃えるゴミも広域処理をすすめる必要もなくなったと報道される。2月・3月、あの環境省とマスコミによる芦名バッシングは何だったのか。横須賀が、さらには芦名の人たちがが「悪い人」というイメージをすり込みをさせられ、「いわれのないレッテル」を張りつけさせられた。

▼まずはじめに、今回の知事との会合は、3月下旬以降、県側がお願いしてきた「謝罪の場」であって、町内会が受け入れのために設定した場ではないことを明らかにしたい。

▼会議は、芦名最終処分場の中の会議室で行われた。参加者は、県側は知事以下副知事と関係部長・課長等。連合町内会の役員で各町内会の会長・副会長さんたちと顧問である。

▼会の冒頭、連合町内会長からこの間の経過と挨拶があった。挨拶では、大楠地域が長年「迷惑施設」を受け入れ続けてきたこと。行政によって何度も地元の意向が無視された経験の積み重ねから、歯止めとして、「協定書」が結ばれてきたもので、簡単に変更できるものではないこと。

▼過去の経過と1月15日の地元説明会での知事の発言は、参加者の不信感をあおり、さらにその後の様々な場面での地域の感情を逆撫でした発言が、多くの地元の方たちを憤慨させてきたこと。被災地への協力は惜しむものではないが、そのことが、反対決議につながったこと。

▼また、その後の新聞報道・マスコミによるキャンペーンでは、知事はがれきを受け入れてくれる「よい人」で、私たちはそれに反対する「悪い人」というレッテルが貼られ、県内はじめ各地から、誹謗中傷的な電話などが役員の家庭にかかるなど、「ひどい言葉を投げつけられる」きっかけを作ったこと。

▼今回、新たに地域を二分する争いの種をまくことはできない。新たな提案についても、住民の皆さんが論議をする中で、最終的に判断していくものであると考えていること。

▼十分に論議されずに決定すれば、またいざこざを生み、争いの種をまき散らす懸念があること。

▼今後については、あくまで、住民同士が論議を重ね、世論が形成されない限り、この提案は前に進めることはできないことを確認した。

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砂の美術館「ダーウィンと進化論」


▼続いて、知事が謝罪をした。 「議会での発表よりも、地元に先に話をしなかったこと」、「その後の発言等で不適切な言動をした」ことについて、「私の間違いであった」として、謝罪があった。

▼その後、新たな提案について、県の職員から説明があった。内容は新聞の通りである。ただ、新聞の見出しには、岩田県洋野町の1600㌧という書き方であるが、あくまで当面であり、1600㌧は約2000m3であるという。芦名最終処分場では最大10,000m3を上限とすること。「それ以上は入れない」ということである。実際には8500㌧ということになるのか。廃プラスチックが、10,000m3入るとすれば、その環境に与える影響とその後の道路整備に与える影響が論議されることになる。さらに、広域で処理する必要性・必然性・妥当性に加えて経済性も論議されるだろう。

▼町内会役員からは、「現地での処理はできないのか。」「リサイクルができないものか」「埋めたときの安全性」「放射能の検査」「普通の人ならわかるはず、という1月15日の説明会後の知事の発言についての説明」「情報の管理について」「今後の町内会役員が向き合う様々なリスクへの対応」「町民市民等への謝罪について」等々、知事の提案に対しての厳しい質問や批判的な発言が多かった。論議はこれから、スタートする。

▼今後、各町内会でこの問題を引き取るかたちで、町内に配付資料を増し刷りし回覧する予定だ。そのうえで、「是」・「非」の議論を含めて、真剣な論議が必要だ。

▼住民自ら考え、意見を表明することが求められることになる。

▼私は、8月の初旬に被災地の視察を計画している。被災地が今必要とする支援を考えてくると同時に、漁網の状況も含めて見てきたい。また、このブログで視察結果を書かせて頂きます。
 
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 砂の美術館「ダーウィンと進化論」

震災漁網受け入れ案:県への不信まだ強く、処分場地元の住民「争いの再燃困る」/神奈川

2012年7月28日

 震災がれきの広域処理をめぐり、黒岩祐治知事が新たな提案として、岩手県の漁網の県内受け入れを示した。被災地での処理は困難とされ、ほぼ手付かずの状態で山積みされている。だが県の最終処分場(横須賀市)の地元では、県の対応のまずさが残した不信が根強く、合意への道筋はまだ見えていない。

 「受け入れは町内会だけでは決められない。住民に諮らなければならない」。26日夜、最終処分場の建物で開かれた説明会の冒頭で、黒岩知事に町内会幹部が強調した。

 地元には過去にも長年、廃棄物処理の現場としての役割を引き受けてきた歴史がある。県の処分場の建設計画でも賛否が対立し、住民にしこりを残した。「(広域処理で)地域に争いが生まれるのが一番困る」。ある住民が本音を漏らす。

 「漁網を燃やさずに埋める」との提案は、地元にとっては「焼却灰の受け入れ反対」で一致していた主張を認めさせた形だが、町内会幹部はなお慎重だ。「すぐに結論は出ない」

 連合町内会は2月に県の計画への反対決議を知事に届けている。その後の4月、町内会の会合に出席した横須賀市幹部が、県の意向を伝えた。

 「『謝罪と新しい提案をしたい』との話が来ている」。訪問を拒む声も出たが、最後は「話は聞こう」との結論に至った。

 だがその後、県から連絡のない状態が続く。町内会幹部は「知事も諦めたのか」と思ったという。だが「地元は知事の言動に振り回され、いわれのないレッテルを貼られた」(吉田雄人市長)という不満もあり、「謝罪もないままでは横須賀市民だけが悪者だ」との声も上がっていた。

 県の提案内容を知った地元住民の反応も複雑だ。

 「どちらかといえば賛成」。母親の1人が明かす。ある男性は「なぜ横須賀で受け入れなければならないのか、明確な理由を説明してもらわないと納得できない」と話した。 



震災漁網受け入れ案:燃やさぬ選択「協力を」岩手・洋野町

2012年7月28日
県が搬出元に想定している岩手県洋野町。岸壁には約1600トンの漁網が、5~6メートルの高さで野積されている。津波で押し流され、海中から引き上げられた定置網などで、破れや絡みなどの損傷が激しく修理不可能とされたものだ。

 合成繊維素材が中心の網には、強度を増すための鉄製ワイヤやロープなどが取り付けられている。廃棄物の分類上は「可燃物」だが、焼却前の分別や裁断に多くの人員を要する上、高熱に対応する炉が不足しているのが実情。国はすべてを広域処理の対象に位置付け、「安くて早い処理が好ましい」と、燃やさずに埋め立て可能な自治体での受け入れを求めていた。

 岩手県によると、沿岸12市町村で処理が必要な「漁具・漁網」は計約5万4100トン。最も多い釜石市(約1万8300トン)で一部を県外搬出しているが、大半の自治体は「大量の可燃物やコンクリート片などを前に、漁網の処理を優先するわけにはいかなかった」(岩手県担当者)という。

 一方、広域処理の壁となっている放射能への懸念は、現時点で指摘されていない。神奈川県職員が今月上旬、洋野町の漁網で9検体の放射性物質濃度を調べた結果、いずれも不検出。空間放射線量も毎時0・05マイクロシーベルト程度で、神奈川県内と同レベルだった。

 洋野町の担当者は神奈川新聞社の取材に「早く片付けるには広域処理が欠かせない。放射能も心配ないので前向きに検討してほしい」と神奈川の協力に期待を寄せた。



震災がれき受け入れ、県が漁網1600トン埋め立ての新提案/横須賀 2012年7月27日 神奈川新聞

 東日本大震災で生じた廃棄物の受け入れについて、黒岩祐治知事は26日夜、県最終処分場(横須賀市)の周辺町内会役員と面会し、岩手県北部の漁網約1600トンを埋め立てる案を新たに提示した。燃やさずに、そのまま袋に詰めて埋める。焼却による放射性物質の凝縮がないため理解を得やすいと判断した。焼却灰は埋め立てないことも明記した。町内会側は案をいったん持ち帰って検討する。

 「震災がれき」の受け入れをめぐり県と町内会は断絶状態だった。知事の面会は半年ぶり。冒頭で知事は、進め方などで迷惑を掛けたとして謝罪した。

 新提案は岩手県洋野町の漁網を想定。分別済みの上、放射能濃度が不検出だとしている。袋に詰めて陸路か海路で運び、そのまま埋める。量は「当面」としており、含みを持たせた。

 面会は横須賀市内で非公開で行われた。黒岩知事は終了後、午後10時すぎから県庁で会見し「面会できただけでありがたい。静かに話し合えた。ようやくスタート台に立てたと思う」と述べた。一方、周辺町内会で構成する大楠連合町内会の長谷川俊夫会長は「喜べる話ではないので、役員からは批判的な意見が多く出された。各町内会、自治会に持ち帰って論議してもらう」としている。

 面会に先立つ定例会見で、知事は問題がこじれた原因について「原点は地元より前に議会で表明したこと。迷惑を掛け深く反省している。軽率だった。責任は私にある」と述べた。
洋野町は岩手県最北端の町。1600トンは同町で処理が難航している漁具・漁網の全量に当たる。

 環境省は6月、岩手県の可燃物などは見通しが立ったとし、漁網などの処理に「特段の協力」を要請している。

 知事は昨年12月、震災がれきを受け入れる意向を県議会で表明。