「よこすかウォーターサービス」の事業推進断念について

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▼6月22日、水道の新事業・株式会社「よこすかウォーターサービス」に関して、市長から突然の断念の知らせがあった。理由は、法的な問題があり、今後すすめることはできないこと。しかし、それ以上に問題なのは、昨年9月から、3度にもわたり顧問弁護士から法的問題があることをその度に指摘されていながら、水道局長はこの事実を、市長にも議会に対しても、一切の報告も説明してこなかったことだ。
 
▼26日の議会最終日の本会議では、21時すぎまでの論議がなされた。第1回定例会で、賛成した会派と反対した会派の立ち位置の差はあるものの総じて、上下水道局長の責任問題と「コンプライアンス上の問題をなぜ市長にも報告しなかったのか」、議会に対しての責任問題という観点で、議員からの追求があった。 

▼私たちの会派の角井議員はじめ多くの議員が、随意契約の問題性について指摘をしてきたが、これまでの定例会等での指摘どうり、「10年の新会社への随意契約」ということが、この新会社については、「困難であり、断念した」ということだ。これまでの指摘がそのまま、問題として浮き彫りになった。

▼吉田市長は、議会で局長を処分をすると明言したが、単にしっぽ切りではなく、この問題がどういった問題であったのかをきちんと整理・精査する必要がある。マニュフェストに基ずいて政策を推進する際に、政策がコンプライアンス上の懸念が生じることはあるだろう。しかし、そういった情報も含めて、公開する中で論議をすすめるのは当然のことだ。その当然のことができていなかったということだ。

▼政策推進の障害となる事実は隠し、誘導しながらごまかしてすすめていくことは、極めて「危険なこと」である。「コンプライアンス」の論議をもう一度積み上げる必要がある。

▼余談だが、上下水道局には、「コンプライアンス相談窓口」というものがあり、「コンプライアンス」について、ミスをしてしまった場合、上司に必ず報告することや、上司に言えない場合は、コンプライアンス相談窓口に行くことが厳しく要請されている。この制度をつくった責任者は局長自身である。職員はどのように今回の件を受け止めているのだろうか。

「コンプライアンス相談窓口」http://www.water.yokosuka.kanagawa.jp/trust/01/handbook.pdf

▼さらに、上下水道局には、内部通報制度などというようなものがある。これも現水道局長の下で最近導入されたものだ。 いわば「密告の奨励」である。
私は、中学校の教師だったので、考える基本はクラスだったらというたとえをするが、もし中学校のクラスでこのような制度を導入したら、クラスの子どもたちとの信頼関係は間違いなく崩壊するだろう。いじめや疑心暗鬼を生む。お互いの仲間意識や連帯意識が内部から崩壊されるだろう。こういったものの導入を進める意識や見識に問題はなかったのか改めて問いたい。

 内部通報制度を導入します。(横須賀市上下水道局ホームページより)

上下水道局が実施する事務又は事業における事故及び不祥事等を未然に防止し、お客さまから信頼される上下水道局を実現するため、職員等が業務上知り得た違法行為等について、通報ができる制度をつくりました。
内部通報者は、不利益な取扱いを受けないよう保護されます。 http://www.water.yokosuka.kanagawa.jp/inside/index.html


▼昨日、吉田市長も厳しい市政運営が続く中で、選挙後3年目を迎えた。横須賀市長選挙まで、おおよそ1年である。あらためて、次の1年間でどのような市政を展開するのかが重要となってきた。 


横須賀市が水ビジネス断念、法的妥当性に懸念か
/神奈川カナロコ 6月26日(火)

横須賀市が進めていた官民出資による水道関連事業会社の設立構想を断念する方針を固めたことが、25日までに明らかになった。水道に関連した消費者からの相談を新会社に統合して一手に引き受け、民間企業に発注するなどとしていた事業構想に、法的な妥当性をめぐる懸念が生じたとみられる。節水意識の高まりや利用量の減少で減収傾向の続く水道事業の改善策として検討されたが、予算成立後に白紙に戻る異例の展開となりそうだ。

 今期の市議会定例会が26日に開く最終本会議で正式に公表される見通し。市による出資金などの関連予算は既に2012年度当初予算に盛り込まれている。

 設立予定の新会社「よこすかウォーターサービス」は、市上下水道局が5千万円を出資。民間企業からも、複数の企画を提案させる手法(プロポーザル方式)を通じて共同事業者を選び、2500万円を出資させる計画だった。

 業務内容は上下水道の利用者向け窓口の運営や、給排水装置の点検修理など。関連業務は市から請け負い、修繕や点検などのサービスは各民間企業に発注。市内にある水源の湧き水を使ったペットボトル水の販売も手掛ける構想で、来年4月の事業開始を目指していた。

 ただ、新会社のこうした構想に市議会の一部からは「市と新会社の随意契約に競争性が担保されるのかが疑問」「独占や民業圧迫が起こる」といった批判が出ていた。

 昨年度の市議会定例会予算決算常任委員会では、会社設立の関連費用を盛り込んだ本年度当初予算案が原案通り可決されたが、20対18の小差だった。 


横須賀市・水ビジネス断念、組織統制に重い課題/神奈川
カナロコ 6月28日(木)

横須賀市による官民出資の水道関連事業会社の設立構想が、違法性の指摘を受けて断念に至った問題は、組織統制や事業計画作成の甘さを浮き彫りにした。事業管理者が違法性の疑いを認識していたのに、会社設立の関連費用が2012年度予算に盛り込まれたことになる。吉田雄人市長が「住民監査請求や住民訴訟のリスクを負えない」と判断して、予算執行前に計画は白紙に戻ることになったが、法令順守の対策強化は急務となっている。

 「顧問弁護士の見解が3度にわたって確認されていたのに、私のもとに来たのは6月12日。あってはならないことだ」。26日深夜、市議会定例会本会議を終えて会見した吉田市長が、疲れた表情で述べた。

 市上下水道局は2010年に水ビジネス会社設立に向けた調査を開始。11年には会社の方向性を固め、市議会に説明した。同年9月から12年1月まで計3回にわたり、弁護士からは一貫して「新会社には実績がなく、市が随意契約を結ぶ理由がない」との見解が伝えられていたが、上下水道局長は6月まで市長への報告をしていなかった。

 吉田市長はあらためて弁護士に見解を確認した上で、断念を決定。会見では「私も(新会社設立を)進めたいと思っていた」と述べ、外部の指摘を受けるまで違法性への懸念を持たなかったことへの反省を明かした。

 本年度予算には出資金や関連費用など6千万円が盛り込まれているが、市長は「支出は考えていない」とした。ただ市議会では中小企業振興の観点から、構想を作り直して再提出を求める意見も出ている。