映画「扉のむこう」上映会IN横須賀&トークセッション

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▼試写会で「扉の向こう」を見させて頂きました。とにかく、凄い映画だ。教師であったり、子どもとかかわる仕事をしている人、保護者は必見である。

▼映画は、ドキュメンタリーのように淡々とすすんでいく。家族・兄弟・学校そして自分。様々な視点から「引きこもり」という社会現象を描写する。決して明るく、楽しくなるような映画とは違う。しかし、いつまでも心に残る映画であることは確かだ。試写会で、見たワンシーンワンシーンの残像が心に刻まれる。

▼英国人監督が撮影した映画だが、副題に「ひきこもりを生む恥の文化」とある。恥の文化と引きこもりとの関係は、これまで考えてきたことがなかったが、文化論から引きこもりを考えて見ると、様々な課題が見えやすい。
 「恥の文化」という視点から、現代がかかえる闇と明日への展望を探る。 

▼英国人監督ローレンス・スラッシュさんとプロデューサーの齊木貴郎さんが当日トークセッションをして頂けるという。今や70万人といわれる「引きこもり」をどのように捉え、何を考えるのか。ひとり一人がこの課題をそして自分と向き合える時間ができればと考えています。

▼また、この作品のロケは横須賀で行われています。はじめのシーンは、横須賀中央・平坂の途中や横須賀学院など、見たことのある風景が、作品中に使われています。そのあたりも必見です。

▼映画「扉のむこう」上映会とトークセッションを下記の日程で横須賀で開催します。

                       記

 
日時 2012年6月30日(土) 第一回 13時~15時45分 第二回 16時30分~19時15分
 
 場所 横須賀三浦教育会館ホール チケット 500円

 入れ替え制 全席自由席

 連絡先 アンガージュマン・よこすか 横須賀市上町 046-801-7881 

 
 主催 「扉の向こう」上映実行委員会
 後援 横須賀市 横須賀市教育委員会 横須賀市社会福祉協議会       


当日券もありますが、売り切れも予想されますので、事前にお買い求めください。
 長谷川もチケット持っています。090-3913-8140
 

英国人が撮る「HIKIKOMORI」 映画「扉のむこう」 2010年3月1日/朝日新聞
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日本の引きこもりの問題に関心を持った英国人男性が、取材を基に脚本を書き、映画を撮った。説明や演出を極力排した異色のモノクロ作品は、東京や大阪で上映される。

■苦悩・迷い 赤裸々に

 映画のタイトルは「扉のむこう」。原題は「Left Handed」で、「左利き」以外に「不器用な」といった意味もある。

 映画の舞台は都市郊外の戸建て住宅で、勤め人の父、専業主婦の母、2人の子どもという家族の中、中学生の長男が2階の自室に閉じこもる。母親は食事を部屋の前に置き続け、弟はいらだち、父親はかかわろうとしない。ただ、近所には平静を装う。やがて相談を受けた民間団体の男性が家を訪れる。

 監督、脚本は、英国出身で米ロサンゼルス在住のローレンス・スラッシュさん(31)。企業や公共広告のCM製作が本業で、長編映画は初めてだ。「引きこもり」に興味を持ったのは、02年に英BBC放送のリポートを偶然見てからだという。

 「英国でも米国でも、私はそんな現象を聞いたことがなかった。もし周りで子どもが引きこもったら親がどうにかして専門家のもとへ連れて行くだろうと思うが、迷いながらも部屋の前に毎日食事を運ぶ日本の母親の対応に驚いた」「同じ家に住みながら、顔も合わせない親子の関係も信じられず、調べて映画にしてみたいと強く思った」

 宮本みち子・放送大教授(青年社会学)によると、青年期に他人とのコミュニケーションがうまくできなくなり、殻に入ってしまうような問題は他の国でもある。ただ、日本のように引きこもりが大きな社会問題になっているところはほとんどないという。

 ローレンスさんは04年に来日。引きこもりの問題に取り組むNPO法人や、フリースクールを訪ねた。引きこもりや不登校経験のある子どもたち、その親やスタッフに通訳を介して聞き取りを重ねた。

 なぜそのような状態になったのか、本人たちも明確な説明はできなかった。「子どもから大人になる難しい時期の純粋さが、心を弱らせたのではないか。多くの若い人がこれだけ無気力な状態になってしまうのは、個人や家族の問題というよりも、社会の問題。家族だけでの解決は難しい」

 ただ、そんな解釈や理屈を盛り込むのはやめた。作り手による誘導を極力避け、映像でありのまま表現することに決めた。聞き取りで知った事例をコラージュのように再構成し、自然と脚本ができた。

 主人公役にフリースクールで出会った少年を起用するなど、母親以外のキャストはみな素人にした。細かい演出は排除し、発する言葉もなるべく出演者に任せた。

 08年に完成した108分の作品は、セリフが少なく、音楽もほとんどない。引きこもった後の少年の姿も映らないが、不可解な現実に対する本人や家族の苦悩、いらだち、迷いは、濃い陰影の画面から伝わってくる。家の中に外部の人が入ることで空気が変わり、かすかな未来への兆しをかもし出す。ただ、少年と家族がどうなったか、結末は明示されない。

 欧米の映画祭では、繊細なモノクロ映像の芸術性が評価された。映画評で、引きこもりは「日本の若者特有の不可解な現象」と説明され、的確に表す用語もないため、そのまま「HIKIKOMORI」が使われた。

 ローレンスさんは、「背景も当事者の内面も複雑だった。セリフやナレーションで結論へ導けるものではない。映像を見た人の感じ方や想像にすべて任せたい」と言う。

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■何度も訪ね、訓練に誘う

 映画の中で困り果てた母親から相談を受ける男性役は、NPO法人「青少年自立援助センター」(東京都福生市、042・553・2575)の工藤定次(さだつぐ)理事長(59)が演じる。実際に30年以上、引きこもりや若者の自立の問題にかかわってきた。

 センターの建物は、5畳半の個室が並ぶ2階建ての寮になっている。引きこもっていた10~30代の若者たちが50人ほどで共同生活をしながら、社会で暮らすスキルを身につける場所だ。軽作業や運動、ボランティアを通して体力と自信をつけ、最終的には就職や就学につなぐ。

 入居するには、当然、自分の意思で部屋や家から出てこなければならない。映画でも描かれているが、工藤さんたちは引きこもる若者のもとに出向き、3段階で対処する。

 まずは親の相談を受け、了解がとれたら相手の自宅に行く。長年閉ざされていた空間に外の風を入れるためだ。ただ、親も子も他人を入れたがらないことが多く、ハードルは高い。

 第2段階は、本人に部屋の扉の外から話しかける。内容は、支援センターの紹介や、引きこもっていた若者がアルバイトから正社員になった事例など。「また来るよ」と言って帰る。

 何度か通った後は、「次に来た時に部屋に入れてくれよ」と伝え、実際に入る。その後も通い、「センターで訓練してみないか」と誘う。「自力で自立できる」と言い張る若者が多いので、「いつまでに?」などと見通しを聞き、また訪れて誘う。

 工藤さんは「最初は敵が来たかと構えていても、何度も訪れるうちに警戒心は和らぐ。同世代の引きこもり経験者が何人も働き始めたと知れば、自分の未来も信じられると思って多くは部屋から出てくる」と話す。

 強引に連れ出すことはしないため、訪問が1~2年続くケースもあるという。取り組みには費用が必要で、詳細はホームページ(http://www.nt.pial.jp/ysc/)に掲載している。

 行政も対応を進める。今年度から、厚生労働省が予算を補助する相談窓口「ひきこもり地域支援センター」制度が始まり、全国各地で開設が進んでいる。詳細はホームページ(http://www.mhlw.go.jp/seisaku/2010/02/02.html)で。

【工藤理事長による引きこもり対処の3段階】

(1)親の話をじっくり聞いたあと、家庭を訪問。外の風を入れ、まず本人にあいさつをする。

(2)訪問しては、扉ごしに部屋の中に向かって話しかける。警戒心を解き、自立の訓練に興味を持ってもらう。

(3)本人に断ったうえで部屋に入り、訓練に誘う。「自分で自立できる」と言ったら、いつごろできるか尋ね、また訪問する。

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