1通のメールから

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            鳥取・砂の美術館より

【一通のメールから】
▼相模原に住む70歳の女性からメールが届いた。お孫さんの尿からセシウムが検出され、大変放射能について心配されてる様子。温かいメールを何度かいただいた。

過日はご丁寧なお返事を頂戴し、痛み入ります。議員さんはどなたもご多忙なので、なかなかお返事を下さる方はいらっしゃいません。そんな中、お返事をいただき、長谷川さまの実直なお人柄がうかがえて、うれしく思いました。

森の防潮堤プロジェクトについてのご意見、私自身も机上の話として考えていたかと反省しました。
そうですよね、まずは現地の方々のお気持ちを第一に考えなければなりませんでした。

~略~
ところで、実は、私の頭は大混乱なのです。ツイッターを見ていましたら長谷川さまとお父上が、県(横須賀市?)とウラ交渉をした、とありました。信じがたいことですが、何回も見ましたので気がかりです。
いつも「そんなことはない」と明言してくださる長谷川さまを信じていますが、繰り返しツイートされるのでブログなどで反論されてはいかがでしょうか。

でも、大槌での若者達のロックフェスティバル、良いですね。私も、神奈川からエールを送ります。とても気持ちが明るくなるニュースでした。ありがとうございました。


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【父について】
▼父は、今年で82歳になる。私が昨年議員になって、本当に毎日いろいろな話をするようになった。町内のこと、様々な会合のこと、地域での課題・・・・、そして1月以降は、「芦名へのがれき焼却灰の搬入」問題である。
 
▼父は穏やかで、声を荒げるようなことは聞いたことがない。周りの事をいつも第一に考え、自分の損得は考えない人だ。 子どもたち4人、孫10人をいつも思い、家族の中心であり、子煩悩で、常に気配りをしながら、身を粉にしながらはたらいてきた。働くということは、「はた(周り)を楽にすること」とあるが、父のためにあるような言葉だ。小さいときから、朝早くから夜遅くまで、いつも働いている人だ。 父はあまり、多くを語らない。無口ではないが、饒舌でもない。 

▼既に、食道ガンの告知を受けてから10年になる。余命3年で、生存率は20㌫と言われた。しかし、先端医療のおかげで、奇跡的に回復した。再発は今のところない。「一度、棺桶に足をつっこんだから、何にも怖くない。後の命は、他人のために使う。」と話す。
 
▼毎日畑に行き、種をまき、草刈りをし、野菜がとれれば出荷をし、時間の合間に孫たちの迎えに行く、親戚のつきあい、地域の会合に顔を出し、本当に家族や地域のために働いてきた。
 
▼がれきの問題で、市外に住む反対派の方が中心で、地域にチラシがまかれた。「長谷川連合町内会長が裏取引・・・」、これまで、人を裏切ったりすることは嫌いで、人のことを常に大切にしてきた父のことをバッシングするチラシに、地域の方から、憤慨した声が届く。町内の人もあきれて、相手にしないできたが最近はなんか言ったほうがいいんじゃないかという方も多くなってきた。

▼地域の方も家族からも、誠実さと働き者という点では誰も疑わない。それだけに、会ったことも、話したこともない人から、推測と妄想によって書かれたよくわからない内容のチラシにはあきれている。「何のためにこんなものを地域に配るのか・・・」。不可思議というしかない。町内の方の中には、「このチラシを書いた女性は、県の回し者じゃないのか」という方もいる。「地域を分断して、がれきを入れようとしているのでは。」という怒りの声も聞こえる。

▼2月以降、搬入推進される方達から、「なぜがれきを受け入れないのか」という電話もずいぶん受けた。」「おまえは日本人か」という電話もあった。今度は、搬入反対の方達が、地域でチラシを撒いたり、ネットで非難するような事を書く。地域をよく知らない外の人間から、そのたびに叩かれる。 まったく「理不尽」な事が多い。

▼どちらにしても、誠実に、地道に淡々と地域のために頑張るしかないと考える。食卓で、私がチラシについて怒っていても、父は感情を表に出すことはない。「どこの人だ。まあ、ご苦労な事だ。」という程度である。

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【地元町内会では】

▼各町内会長さんたちはチームワークも良く、信頼関係も厚い。みんな「自分のことよりも地域のために」としか考えていない人たちだ。今回の決議も会合の中で、「おれたちは、そう長くない。死んだあとに、子どもたちや地域の人が困ることだけはしたくない。死んでも死にきれない。」「地域の声を聞いても自分から好んで入れたいという人はいない」と長老の皆さんが語った。
 そういった地域を思う人でなければ、町内会長という激務は損得勘定なしでやる人はいない。2月5日の連合町内会決議は、本当に地域を思い、地域の中で何ができるのかを考えてきた結果と考えているし、現時点でもみなさん同じ思いだ。 

▼町内会長さんたちが、総じて地域の声を代弁しただけである。思惑があるわけでも何でもない。しかし、「決議」したことが、「拒否」と報道され、マスコミでも大きく取り上げられ、逆に、面食らう形となった。そして、3月に入ってのマスコミによる予想外のバッシングである。心情的も、被災地のことを心配している方が多いので「つらい」という声にならない声を数多く聞いた。逆風が吹き荒れた。今はそれも過ぎ去り、少し落ち着いた格好だ。

▼3月末に、横須賀市を通じて、知事が謝罪をしたいとの打診があった。連合町内会では「謝罪をしたいということを断るのはどうだ」「会う必要はない」という議論や、会ってこれまでのいきさつについて「きちんと文句を言いたい」という声もあった。結果として、謝罪ならば受けようということになった。

▼しかし、あれからもう二ヶ月になろうとしている。その後一切の返答がない。あらたな提案もない。関係者の中では、「もう謝罪もいらない」という声も強い。知事のこれまでの言動によって地域は振りまわされ、マスコミにたたかれ、いらぬ心配や肩身の狭い思いをさせられてきた。もし仮に、知事に会ったところで、憤りをぶつけることはあっても、恭順することはない。

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【協定書の重み】

▼私は冷静に客観的に考えた時に、芦名町内会と県との「協定書」は改訂することは手続き的に相当難しい話だと思っている。まず、知事も県も今回の件については、「協定書の改訂」が前提である、と何度も確認してきているが、その上に立って考えたとき、改訂には大変な労力と、理解と納得への長い時間が必要な作業となる。

▼まず、協定書の改訂には芦名町内会長の印が必要だが、そのためには、町内会役員会、さらには、町内会の総会での決議が最低必要条件だ。現実を考えたときに、この要件を満たす状況は、芦名町内会にはほとんど不可能だと思える。 芦名の町内会と芦名の若者たち、さらには、住民の多数は、どのような知恵をしぼった案でも、納得には至らないと思う。
 
▼それは、芦名の最終処分場の建設に至るまでの経過と思いを共有しない方にはわからないかもしれない。8年にもわたる県とのやりとりの中で、無理無理に受け入れてきた歴史やその後引きずってきたそれぞれの思いがいまだに錯綜しているからだ。町内会長さんとお話ししていて、「傷口が、やっといえて、ようやくかさぶたになってきた頃、かさぶたをはがされる思い」だというお話を何度も聞いた。地域の方にお話を聞けば、当時の受け入れ容認派の方も、受け入れ反対の方も、まず神奈川県と県知事の「約束違反」にはこぞって怒りにちかい感情をお持ちだ。 

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【これから】

▼それにしても、2月5日の連合町内会の決議から4ヶ月が立つ。知事の当初の提案は撤回された。「協定書」をきちんと死守し、じっと我慢している。県や国を相手にしながら、実に淡々とおじいちゃんたちは頑張っている。決して動かない。誠実にただ、誠実に向き合っている。大きな声を出すわけでもなく、じっと動かない。

▼もともと、相手のことを思いやり、やさしい方の多い土地柄、町内会長さんたちも、権利意識よりも「皆さんのために」と身を削ってきた人たちだ。 さらに、放射性物質の子どもたちへの影響を多くの保護者の皆さんがいる。 環境省や県がこぞって、「安心です」とPRしたとしても、不信感は深い。

▼幾たびかの話し合いの中で出てきた言葉を思い出す。

「最終処分場建設時も、『安全です。安心です。これ以外のものは入れません。』と何度も県は説明した。・・・しかし結局は、あの時、作らせてしまったから、こういう思いをしなければならなくなった。これからだってわからない。」 

「舌の根が乾かないうちに、一度決めたことをひっくり返せば、町内の誰がついてくるんだ」 

▼新たな提案が仮にあったとして、説明会を開くことになったとしても、協定の当事者である芦名町内会の決定を待つほかにない。最終的に住民投票という手段になるのかはわからないが、町民にゆだねる以外の選択肢は見あたらない。 町内会の役員会や町内会長が独断で決める事にはならない。まして、大楠連合町内会は芦名町内会が賛成できないものに賛成はできない。
 
▼知事はかつて、「産業廃棄物最終処分場の建設時と同じプロセスでいけば納得していただけるはず」といわれたが、その時ですら、8年の歳月と100回を超える説明会をしている。今回の件で、知事や県が地元に働きかけたのは、この半年間で、まだ「1月15日の説明会のただ一回のみ」である。とうてい及ぶものではない。

▼ これまで、「がれきの量は多くて途方もない、だから広域処理が必要」ということを環境省は30億円という広告費を使って、マスコミを総動員してきた。今後もまた何度か行われるだろう。しかし、がれきの広域処理については、「復興の最大の障害」であるという理由は、すでに被災地では見あたらない。むしろ復興の障害は復興計画の遅れや政府の無作為である。それを覆い隠す。


▼環境省ががれきの試算をようやく見直した。大幅に下方修正された。全体では4割の減。岩手県では、広域処理のものとして、当初、木くずも燃えるごみも、併せて57万トンとしていたが、30万トンに半減した。全体では増えたがそれは不燃物だ。不燃物については、当初の7万トンから90万トンとなった。
 
▼環境省の見解では、不燃物は処理方法が未確定なので、広域扱いとするが、、「県内で処理し、復興資材としての利用を考える」としている。 この意味が、よくわからない。つまり、「処分の仕方がはっきりしないので、とりあえず広域扱いにするが、いずれは県内で使います。」ということは広域にはしないということだろう。なんだか、広域の水増し請求ではないか。

▼政権与党である民主党は、自民党の一党支配と政治の刷新を訴えて、政権交代をなしえた。なにをもって、「政治を変えた」と自負するのであろうか。
 広域処理は、当初の必要性から、現在の必要性は当然変化してきている。政権与党自体が、変化に対応しながら新たな「復興ビジョン」を提示していくことが強く求められる。

▼三市(横浜・相模原・川崎)で焼却して、焼却灰を芦名に持ちこむ流れは、合理的な理由が相当薄くなっている。神奈川新聞では、相模原のスラグを路面材等の資材として使うプランも示されている。埼玉での受け入れはセメント工場等の民間の業者がほとんどである。民間への資材としての活用も考えられる。資材ならば、最終処分場に入れる必要性はない。

▼神奈川県の新たな提案は、がれきにこだわることなく、被災地が求める支援を具体的に入れ込んだ「被災地復興支援かながわプラン」をつくり推進していくことしかないのではないか。

▼そのことが、被災地にとっても、知事にとっても、地域にとっても良い唯一の地点と考えている。知事は脱原発も唱え、住民に寄り添う知事としてスタートした。「マグネット神奈川」も プラスとプラス、マイナスとマイナスどうしでは、くっつきようがない。 今回のがれき受け入れについても、被災地の現状を何とかしたいという思いからではなかったのか、ぜひ初心に戻って考え直していただきたい。

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【環境省HP】災害廃棄物の推計量の見直しおよび広域処理の推進について P8
http://kouikishori.env.go.jp/news/pdf/20120521b.pdf
岩手県・不燃物については、既に受入れが行わているのは山形県のみであるが、今回の見直しにより、土砂分を含む不燃物が大幅に増加し、その処理方法が未確定であることから広域処理対象としている。岩手県では、この不燃物について、県内処理、復興資材等としての利用活路を見いだすことに努めることしている。
 このような県取組を支援するため、環境省において復旧興公共工事再生資材としての利用促進方策を整理、早急に示すことにより県内拡充図る。また、必要に応じて民間施設の活用も含めた追加的な広域処理について調整を図る。 




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鳥取 砂の美術館http://www.sand-museum.jp/





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この記事へのコメント

いけどん
2012年06月04日 09:37
お疲れ様です。
先々週の地域のある会合でお母様とお会いして、いつものご丁寧なご挨拶とともに「この間は横浜から主人に電話があり、30分も苦情を言われて大変だったのですよ」と悲しそうな表情をされていました。会長もご家族も本当にお気の毒です。でもいつも地域でお会いするお二人の笑顔には勇気と力をいただいています。

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