3.被災地から 「宮古で見たもの」

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▼私たちは、宮古の瓦礫を見に行った。知事が「心の復興」とビデオで訴えた場所だ。可児(かに)夫妻は、12月にも、2月のはじめにも、宮古には来ている。 がれきの放射能の値は横須賀と大きくは違わない。これは、ガイガーカウンターで前回、可児君から報告があったが、改めて確認した。 

▼可児さんから、宮古の瓦礫の集積場は二カ所あることは聞いていたが、一つの集積場についた。最初は運動公園だ。プロモーションビデオで知事が、「こんなにたくさんがれきがあって大変でしょう」と聞いていたあの場所だ。

▼そういえばテロップに「心の復興」と出ていたことを思い出した。おじさんが出てきて、「このがれきを見ると心が痛む」と話していた。 

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▼しかし、現地に行くと、その風景と「心の復興」があまりにもそぐわないことに気づく。競技場の周りには人家は一切なかった。周りを見渡したが、500㍍以内には、工事のプレハブが一つあるだけで、がれきの周辺もフェンスでふさがれ、中は周りからは見えなかった。
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 野球場の周辺

▼宮古は復興が進んでいる。市長がなかなかやり手であるということを聞いた。市内の住宅地は相当きれいになってきていると感じた。大槌や釜石とは比較にならないぐらいの都市だ。 同じ三陸でも、状況は天と地ほど違う。東京に既に持って行ってもらったのだろうか、海岸部の埠頭に山積みされていたというがれきは石やコンクリート片が山となって残っている他は、既になかった。訪問した際には、車のつぶれたものがトラックに乗せられて搬出されていた。

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 放射能検査も、カバーが掛かっていた。

▼こういった事を言うと不謹慎なのだろうか。今でも少しためらう。本当のことを知りたい方は、宮古に是非行ってもらいたい。 地元の方に聞いた。「本当にがれきはここだけですか。がれきはどこか他にあるのですか。」私のイメージの問題かもしれないが、かなりそれは違っていた。

▼フェンスに囲まれた工事現場の様な中にがれきの山はあった。入り口の警備員のおじさんに話しかけた。「何年ぐらいかかりますかね。」「三年ぐらいはかかるかのー」「東京に持って行ってるんですか。」「そうだなー あんまり早くもってかれると、仕事がなくなるのも困るな。」「何人ぐらい働いてますか。」「100人はいるな。」
「大体地元の方ですか。」「おお、地元が多いな」「一日いくらぐらいですか。」「8000円ぐらいだな」・・・
と結構忙しそうだった。

▼残念ながら知事のいう「復興の障害」というようなイメージではなく、「工事現場」そのものという感じでした。
もう少し説明すれば、処理しなければならないがれきは山になってあるが、のしかかってくるイメージではない。もちろん集積場には行って広角レンズでがれきを撮れば、あの映像はとれる風景ですが・・・。

▼もちろん東北の被災地にはがれきはたくさんある。しかし、たいていは町中にどかんとあるわけではない。 町の周辺部の空き地とか。海浜部の港の資材置き場のような所。河川敷。たいていはそういったところだ。一番遅れている大槌でさえ、市民の目の前にがれきがどかんということはない。町の隅の県有地にどーんとおいてある。そこで作業をして、被災された方の収入源として。生活費を稼ぐ方も多い。

 
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▼震災から一年たって、現在でも町中にがれきが散乱している町はない。ほとんどの町ではそれぞれの集積場に集められて、分別の作業をしている。分別しなくても良いなら、一年もたたずに既に処理は終了しているだろう。 こういったがれきでさえ、中間処理施設で、燃えるゴミ・燃えないゴミ・リサイクル・資源化ゴミ・不燃ゴミ・・・と分別される。だから時間がかかる。一緒に処理できれば、とっくに終わっている。(現地の意見)

▼ただ、現地では、そういったことより、それぞれの遺留品やひょっとしたら遺物や遺骨などがでてくる可能性があるから、そういった処理をせずに、探しながらも丁寧に、分別をしてきただけなのに、政府は今更がれきの処理は5㌫などと報道する。 

▼処理が簡単にできなかったのは、事情があったことをまったく考えずに、数字だけであおる。さらに、「広域処理に従わないから、反対する人がいるから進まない。」と結論づける。


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 野球場の周辺  津波で流されたのでしょうか。何も周囲にはありませんでした。

▼とにかく、知事の訴えていた宮古のがれきは、本当のことと、映像では相当差があることだけはわかった。知事は1月の10日過ぎに訪問しているから、100歩譲ってその間に東京に「がーっ」と持って行ったのかもしれないけれども、残念ながら やはりやらせの様に思えた。

▼現実は、想像を超えた事実を提起する。私たちはテレビという、虚構の劇場の中で、演じるものに操られて、操作されながら生活しているのかもしれない。 

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  宮古 港湾  以前はここにがれきがあった。黒岩さんが来た時は、ここに選別場があったらしい。
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