3.11 あの日を忘れない。被災地の現実と報道

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復活した宮古港 セリが始まっていました。


▼3.11 あれから一年がたちました。一年。その重みを感じます。被災された多くの方に心よりお見舞い申し上げます。言葉にならない多くの思いがたくさんありますが、まずは黙とうをさせていただきました。あらためて、命があること、生きていることの大切さを感じています。

▼テレビで被災地の様子やがれきの事をやっているのを見るたびに胸が締め付けられる思いでした。たぶん大楠の多くの人は同じ思いをしていたと思います。なにかすっきりとしない思い。被災地の人たちに後ろめたい思いを感じてきました。自然とテレビ番組も見なくなりました。現地の人からいろんな事を聞いてきた自分でもそうなのですから、感受性の強い中学生や奨学生に与える影響も大きいと思っています。

▼マスコミの影響力は強いですから。 この一週間で、何度も何度も「この地域の大人は、自分勝手の被災地のことを思わないエゴ集団」というレッテル付けが行われました。かつて無いぐらいのマスコミ操作でしょう。

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▼ただ、私が落ち込まなかったのは、現地で被災されたたくさんの声を聞かせて頂いたからです。がれきのことを話して、「ごめんなさい。僕ははがれきの受け入れをしないと決議をした地域のものです。」と謝った。それに対して、「いいんさ、あんたはここに来てくれてる。あんたの思いは伝わってる。がれきなんて、別に急ぐ必要はないから、ゆっくりやればいいんさ。」と酒を飲みながら悠々と語ってくれた。  

▼「じゃあ何が必要なのか」と聞くと、多くの人が、仕事だよね。仕事がない。今、しんどいのはしたくてもできないことといって、震災当日からのこと、町が次々と壊れていったこと。人が家が流されていったこと、そのあとの火災・自分の家の様子。・・いろんな事を語ってくれた。

▼「被災から、しばらくは本当にしんどかった。でも多くのボランティアや自衛隊や役所にも手伝いがたくさん来てくれた。夏から秋になると、人がどんどん減り、避難所から仮設住宅にみんな移った。新たな生活が始まり、落ち着いて見えるけれども、今が一番しんどいのかもしれない。」と言う。

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▼「町から人がどんどんいなくなっていく。何していいかわからない。仕事もなければ、産業もない。どう生きていったらいいのか誰にもわからない。こういったときに文化や音楽が必要なんだ。」と釜石市鵜住居の宝来館のおかみさんから聞かせていただいた。

▼「人の温かさが本当にありがたい。私たちの町に来てくれるだけでいい。来て、一緒に考えたりしてくれる人がほしい。技術もほしい。食べていくアイディアもほしい。産業が作れればと思っている。私たちはモノや金がほしいというのではない。10年・20年後のこの町を一緒に考えてくれる人がほしいんです。」

▼支援というのは、いろいろな支援があるのだろうけれども、あらためて、できるだけ顔の見える関係でつながることが大切なんだと感じています。


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宮古 岸壁のがれき置き場から搬出されるスクラップの車

▼宮古で見た風景は、東京の業者が、スクラップの車を大きなトラックに積み上げて次々と出荷されるように持ち運ばれていく。「車は債権放棄してあるので、業者に一台あたり、つぶせば高く売れる上に、輸送費はがれき処理費用としてもらえるらしい。」 と宮古の廃棄物の集積場のお兄さんは、話してくれました。

▼被災地に群がる様々な業者。被災地支援の目的と言いながら、大きな金が動いているのでしょう。



▼最近の新聞報道の中には、環境省のキャンペーン以外にも様々な声が出てきました。ご紹介します。

大震災から1年。暮らしを、まちを、どう立て直すのか。各首長に聞く。
【伊達勝身・岩泉町長】2/29 朝日新聞

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「現地からは納得できないこと多い」

被災した小本地区の移転先は、駅周辺を候補に用地交渉をしている。近くに三陸沿岸道のインターがあり、交通の要衝だ。
 昨年11月、用地買収に向けて価格設定をしようとしたが、国から待ったがかかった。沿岸道の用地買収に影響するという。県もバラバラに進めると混乱するという。そんな調整で2カ月遅れた。被災者には申し訳ない。
 
現場からは納得できないことが多々ある。がれき処理もそうだ。あと2年で片付けるという政府の公約が危ぶまれているというが、無理して早く片付けなくてはいけないんだろうか。山にしておいて10年、20年かけて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。

 もともと使ってない土地がいっぱいあり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこにあるのか。
 4月1日付で役場に復興課を新設する。被災者支援から復興まちづくりの窓口にする。小本支所を含め正職員だけで8人の態勢だ。
 6月には三陸鉄道小本駅の観光センターを取り壊し、避難ビルや集会所、支所を置く複合ビルにする工事を発注する。
 2010年7月の事故以来不通になったJR岩泉線は、観光路線化して復旧させることを真剣に考えたい。人口が減る地元だけで利用運動をしても無理がある。高速道路ができる中、鉄路の将来は厳しい。どう残すか、知恵を絞らなければいけないときがきた。


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12/03/08  新党日本 田中康夫 :日刊ゲンダイ
「みんなの力で、がれき処理 災害廃棄物の広域処理をすすめよう 環境省」。数千万円の税金を投じた政府広報が昨日6日付「朝日新聞」に出稿されました。それも見開き2面を丸々用いたカラー全面広告です。

“笑止千万”です。何故って、環境省発表の阪神・淡路大震災の瓦礫は2000万トン。東日本大震災は2300万トン。即ち岩手・宮城・福島3県に及ぶ後者は、被災面積当たりの瓦礫(がれき)分量は相対的に少ないのです。

「静岡や大阪等の遠隔地が受け入れるべきは『フクシマ』から移住を望む被災者。岩手や宮城から公金投入で運送費とCO2を拡散し、瓦礫を遠隔地へ運ぶのは利権に他ならず。良い意味での地産地消で高台造成に用いるべき。高濃度汚染地帯の瓦礫&土壌は『フクシマ』原発周囲を永久処分場とすべき」。

「『広域処理』なる一億総懺悔・大政翼賛の『絆』を国民に強要する面々こそ、地元首長の発言を虚心坦懐に傾聴せよ!」。

ツイッターで数日前に連続投稿した僕は、その中で戸羽太・陸前高田市長、伊達勝身・岩泉町長、両名の“慧眼”発言も紹介しました。
「現行の処理場のキャパシティーを考えれば、全ての瓦礫が片付くまでに3年は掛かる。そこで陸前高田市内に瓦礫処理専門のプラントを作れば、自分達の判断で今の何倍ものスピードで処理が出来る。国と県に相談したら、門前払いで断られました」

「現場からは納得出来ない事が多々有る。山にしておいて10年、20年掛けて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。元々、使ってない土地が一杯あり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこに有るのか?」。

阪神・淡路大震災以前から、産業廃棄物も一般廃棄物も「持ち出さない・持ち込ませない」の域内処理を自治体に行政指導してきた政府は何故、豹変したのでしょう? 因(ちな)みに東京都に搬入予定の瓦礫処理を受け入れる元請け企業は、東京電力が95.5%の株式を保有する東京臨海リサイクルパワーです。

これぞ産廃利権! 仙谷由人氏と共に東電から献金を受け(朝日新聞1面既報)、父君が北関東の産廃業界で重鎮の枝野幸男氏、同じく東電が重用する細野豪志氏に「李下に冠を正さず」の警句を捧げねば、と僕が慨嘆する所以です。

「復興を進めるために、乗り越えなければならない『壁』がある。」と件の全面広告には大書きされています。呵々。乗り越えるべき「壁」は、「業界の利権が第一。」と信じて疑わぬ「政治主導」の胡散臭さではありますまいか?!
 
朝日新聞2面広告http://twitpic.com/8sjy1w/full


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▼日刊ゲンダイに、私が言っていることと同じような事を田中康夫さんが書いていると、友人が切り抜きを見せてくれました。 読んでみると、仙石さんや枝野さんのことはよくわかりませんが、現地に行って、感じるのは紛れもなくこのことです。

▼少しづつ現地の本音を話してくれる首長が出てきました。私も被災地に行くと、がれきのことより。雇用や10年後の産業・文化・街作りをどうするのかが課題と若者が話をしてくれました。がれきも大変な状況はありますが、「復興とがれきを一つにしたキャンペーン」に違和感を感じます。
 
「がれきはどうですか。」と質問すると、「県有地にあるからまあ今のところすぐに処理しなくても時間をかけてやるべよ。がれきにはいろんな大切なものが入っている。まだ見つかってない人だっているんだよ。何かしら遺品だって出てくるかも知んないしよ。 まだ手作業が必要だしな。それ以上に日当で8,000円稼ぐことができる。」ということだ。
 被災地に仕事がない状況では、唯一の産業になっているのも事実。本当に役に立つ支援。現地が必要としている支援に力を傾けるべきと考える。

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▼大槌ではJAから大根の商品にならない半端物をもらって、たくあんでもつけようと考えているプランも考えていると聞いた。とにかく商品を作って、それを抜群においしい商品にして、地元に根付いた産業として確立できるようなものを考えているようです。
 
 ※三浦の大根で形の悪いものや商品にならないものがありましたら、いかがでしょうか。


▼追伸・・テレビ朝日の特番で芦名の長老が出演しました。テレビ全体のつくりは現地では、知事の説明の不十分さ、地元を甘く見ていたこと。それを無理にこじ開けようとしたことが、現時点での問題になっていること。
 さらに、広域処理に反した意見を持つ東北の首長のレポートという形で進み、
最後に長老から「いつまでも駄々っではいられない・・」という発言がありました。その言葉で、「受け入れか」という疑念を持たれた方もいたようですが、
これもまたマスコミの編集で一部分をカットされたものだと聞いています。「いつまでも駄々っ子子ではいられないが、まあ、到底無理だな」という発言があったようその部分は最後に切られたようです。
(テレビ局は地元がわからずやというイメージに受け取られないためという思いやりのような意味で切ったようですが・・)とにかく、受け入れありきの発言ではありません。そのことを付け加えておきます。

ただ、国も法整備をして、強制措置も含めた提案をしてくる可能性があります。きちんと状況を確認しつつ、取り組みをすすめる必要があります。

 


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