芦名の廃棄物最終処分場へのがれき搬送を問う。

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がれきの処理は各自治体が困難な状況の中で、選択を余儀なくされている。そういった中で、東京都は被災地のがれき受け入れに積極的に名乗りを上げている。住民の反対は?放射線物質の危険性は?と考えていたが、12/29の朝日新聞の報道で、東京都の事情がようやく解明した。

 広大な羽田沖の埋め立て用のがれき調達と「震災復興」の大義名分と両方が立つ。さらに、住所のない都の直轄地だという。

 芦名の最終処分場とは状況はまったく違う。大雨が降れば下流に被害が起こる山間部と埋め立て地では安全性にも大きな違いがある。知事は5月の記者会見で「放射能の入ったものは入れません」と明言した。今回は「100ベクレル/キログラム以下は放射性物質の扱いはしません。」と議会で説明した。 とするならば、当然焼却灰であっても、「100ベクレル/キログラム」以下のものという基準を貫くのが筋であろう。黒岩知事は、この基準値が守る必要がある。それができないのであれば、持ち込むことはできないはずだ。

 芦名の最終処分場は産業廃棄物に限定しており、県内ということで地元との合意を得ている。しかし、今回のがれき処理は一般廃棄物に当たるため、その受け入れには横須賀市との間でも改めて協定を結ぶ必要が出てくる。
 横須賀市が神奈川県との間できちんと、意見反映をできるのか吉田市長の姿勢が問われる問題だ。さらに、議会の同意も必要であることから今後の論議をより深める必要がある。


1.朝日新聞12/29より 東京都ががれきを受け入れた理由
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■東京都、受け入れの秘密は?
 なぜ、東京都が最初に被災地がれきを受け入れられたのか。処分場に秘密があるらしい。


 羽田空港に向けて着陸態勢に入った旅客機が、轟音(ごうおん)を響かせて上空を通り過ぎる。東京・銀座から直線で10キロ弱。東京港の中央防波堤近くの埋め立て処分場は、荒涼とした風景が広がる。

 ここで、11月初めから岩手県宮古市のがれきを受け入れ始めた。来年2月からは宮城県女川町のがれきも引き受ける。両県分で計50万トン。「本格的な広域処理ができているのは東京都だけ」(環境省)だ。

■住所なく都が「直轄」

 「海に隔てられ、最も近い住宅でも5キロは離れている。中間処理施設も埋め立て地の一角にある」(都の担当者)という立地条件に加え、「地元自治体」がないという特殊事情がある。

 中央防波堤の周囲にあるのは「内側」「外側」「新海面」と呼ばれる各埋め立て地。まず内側が1970年代半ばからゴミや建設残土で埋め立てられ、現在は外側と新海面に移っている。すでに東京ディズニーランドの10倍以上の約550ヘクタールを埋め立てた。

 でも、ここは住所がない「番外地」。かつては近隣の5区で帰属争いが繰り広げられた。3区が降りた後も、江東区と大田区で綱引きが続き、いまだに決着していない。いわば都の「直轄地」というわけだ。廃棄物の搬入路となる両区には事前説明が必要だが、最終決定権は都にある。

 その都の最高権力者はトップダウンの石原慎太郎知事。受け入れの際、放射能の影響を心配するメールや電話が3500件を超えたが、石原知事は「『黙れ』って言えばいい」と突っぱねた。

 浄水場で生じた沈殿物、下水汚泥、一般のゴミ焼却灰……。東日本大震災以後、都内で発生する放射性物質を含んだ廃棄物も、被災地のがれき同様にここで処分されている。

■都心には戦災がれき
 「東京湾の埋め立て地は江戸以来のゴミや建設残土のほか、大火や震災、戦災で生じたがれきも詰まっています」。東京湾の埋め立ての歴史に詳しい元都職員の遠藤毅さん(74)は語る。埋め立て地には、災厄からの復興の歴史が刻まれている。

 東京駅八重洲口や有楽町マリオン前の旧江戸城外堀など、今では高速道路が通り、ビルが立ち並ぶ都心の一等地も、川や堀を戦災のがれきで埋めた場所だ。「今回は活用よりも処理が前面に出ているが、かつては関東大震災のがれきを使って低地の高潮対策にも生かした」という。

 恵まれた処分場にも懸念はある。羽田沖の埋め立てが終わった91年以後、ここが東京23区最後の処分場とされているからだ。

 下水汚泥などの廃棄物は、震災以前はセメント原料などに再利用されていた。放射性セシウムの濃度は下がったものの、今も大半はリサイクル再開のめどが立っていない。埋め立てられた浄水場の沈殿物や下水汚泥は、10月末までの半年で計8万トン。4万2千トンだった昨年の倍の量だ。

 今後50年は埋め立て可能とされてきたが、このままリサイクルができないと、処分場の耐用年数が短くなる恐れがある。(菅野雄介)

 東京湾最終処分場 新海面処分場http://www.kouwan.metro.tokyo.jp/jigyo/kensetsu-jimusyo/Haikibutu_shobunjyou/Haikibutu.html

相模原南清掃工場http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisetsu/recycle/005579.html

学習


焼却灰について、調べました。 主灰(ボトムアッシュ)と飛灰(フライアッシュ)に分けられ、放射性物質は主に飛灰(フライアッシュ)に含まれるようです。


※飛灰について

微小粒子よりなる灰で、空中に浮遊する(fly)性質より呼ばれる。直訳して「飛灰」と呼ばれることもある。
焼却灰は、焼却炉の底などから回収される焼却主灰(ボトムアッシュ)と焼却廃ガス中に浮游する飛灰(フライアッシュ)に分けられる。後者は、すす、灰など、燃焼廃ガス中に含まれる固体の粒子状物質で、集じん灰およびボイラ、ガス冷却室、再燃焼室で補集されたばいじんを総称したものをいう。
ごみ焼却施設で集じん装置によって捕集・分離されたばいじんは、特別管理一般廃棄物に指定されている。飛灰は、主灰に比べて融点が高く(1250~1350℃)、生成したダイオキシン類の90%が飛灰に含まれること、また鉛、亜鉛、カドミウムなどの低沸点重金属の含有率が高いという特徴がある。それゆえ、直接埋立て処分することができず、溶融固化、セメント固化、薬剤処理、酸その他溶媒による抽出法のいずれかによる中間処理(溶出防止)が義務づけられている。飛灰をペレット状に成形すれば、コンクリート用軽量骨材になる。



2 ドイツ放射線防護協会: ドイツからの警告

ドイツの放射線防護挙絵会が日本の放射線の管理のあり方を批判しています。放射線物質の各都市への拡散など「希釈政策」は多くの日本人に放射線被害を拡散させる危険性があると警告しています。放射線物質は国が基準を設けて集中管理すべきとしています。
放射線防護協会

Dr. セバスティアン・プフルークバイル
2011年11月27日 ベルリンにて



報道発表

放射線防護協会は問う:

住民は、核エネルギー利用の結果として出る死者や病人を何人容認するつもりだろうか?

放射線防護においては、特定の措置を取らないで済ませたいが為に、あらゆる種類の汚染された食品やゴミを汚染されていないものと混ぜて「安全である」として通用させることを禁止する国際的な合意があります。日本の官庁は現時点において、食品の範囲、また地震と津波の被災地から出た瓦礫の範囲で、この希釈禁止に抵触しています。ドイツ放射線防護協会は、この「希釈政策」を停止するよう、緊急に勧告するものであります。さもなければ、日本の全国民が、忍び足で迫ってくる汚染という形で、第二のフクシマに晒されることになるでしょう。空間的に明確な境界を定め、きちんと作られ監視された廃棄物置き場を作らないと、防護は難しくなります。「混ぜて薄めた」食品についてもそれは同じことが言えます。現在のまま汚染された物や食品を取り扱っていくと、国民の健康に害を及ぼすことになるでしょう。


焼却や灰の海岸の埋め立てなどへの利用により、汚染物は日本の全県へ流通され始めていますが、放射線防護の観点からすれば、これは惨禍であります。そうすることにより、ごみ焼却施設の煙突から、あるいは海に廃棄された汚染灰から、材料に含まれている放射性核種は順当に環境へと運び出されてしまいます。放射線防護協会は、この点に関する計画を中止することを、早急に勧告します。



チェルノブイリ以降、ドイツでは数々の調査によって、胎児や幼児が放射線に対し、これまで考えられていた以上に大変感受性が強い、という事が示されています。チェルノブイリ以降のヨーロッパでは、乳児死亡率、先天的奇形、女児の死産の領域で大変重要な変化が起こっています。つまり、低~中程度の線量で何十万人もの幼児が影響を受けているのです。ドイツの原子力発電所周辺に住む幼児たちの癌・白血病の検査も、ほんの少しの線量増加でさえ、子供たちの健康にダメージを与えることを強く示しています。放射線防護協会は、少なくとも汚染地の妊婦や子供の居る家庭を、これまでの場合よりももっと遠くへ移住できるよう支援することを、早急に勧告します。協会としては、子供たちに20ミリシーベルト(年間)までの線量を認めることを、悲劇的で間違った決定だと見ています。



日本で現在通用している食物中の放射線核種の暫定規制値は、商業や農業の損失を保護するものですが、しかし国民の放射線被害については保護してくれないのです。この閾値は、著しい数の死に至る癌疾患、あるいは死には至らない癌疾患が増え、その他にも多種多様な健康被害が起こるのを日本政府が受容していることを示している、と放射線防護協会は声を大にして指摘したい。いかなる政府もこのようなやり方で、国民の健康を踏みにじってはならないのです。



放射線防護協会は、核エネルギー使用の利点と引き換えに、社会がどれほどの数の死者や病人を許容するつもりがあるのかと言うことについて、全国民の間で公の議論が不可欠と考えています。この論議は、日本だけに必要なものではありません。それ以外の原子力ロビーと政治の世界でも、その議論はこれまで阻止されてきたのです。



放射線防護協会は、日本の市民の皆さんに懇望します。できる限りの専門知識を早急に身につけてください。皆さん、どうか食品の暫定規制値を大幅に下げるよう、そして食品検査を徹底させるように要求してください。既に日本の多くの都市に組織されている独立した検査機関を支援してください。



放射線防護協会は、日本の科学者たちに懇望します。どうか日本の市民の側に立ってください。そして、放射線とは何か、それがどんなダメージ引き起こすかを、市民の皆さんに説明してください。



放射線防護協会

会長

Dr. セバスティアン・プフルークバイル



(翻訳者 blaumeise.leinetal)

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