芦名の産業廃棄物処理場にがれきの濃縮焼却灰が搬入される時


20111212 知られざる放射能「都市濃縮」 投稿者 PMG5<NHK クローズアップ現代 12月12日放送 
 濃縮された焼却灰が芦名に持ち込まれるのではないか心配です。

▼12月20日、黒岩知事が県議会最終日の本会議で、被災地のがれきの受け入れを神奈川が受け入れることを再表明しました。5月に表明したことから、私も9月の定例会で、知事の「勇み足」として指摘してきましたが、黒岩知事が改めて表明したことになります。この間、知事は慎重な対応をしていましたが、突然踏みこんだ再度の表明でした。 またしても、地元へ県からの事前の説明はありませんでした。この数カ月地元には、県からは何の音沙汰もなく、前回同様の突然の発表には驚きを隠せません。

▼ 「がれきの処理をどこかで引き受けること」については、道義的には反対するものではありません。しかし芦名の最終処分場に関して言えば、この最終処分場が作られるときに、県と地元芦名町内会との間で、「協定書」が結ばれています。 その中には、①県内の産業廃棄物に限定すること。②さらに持ち込む廃棄物も8種類に限定していること。③ダイオキシンや飛散アスベストは搬入しないこと。さらには、協定書の内容をこえる提案をするには、協議と住民との合意が必要です。

▼一番心配なのは、今回のがれきの焼却灰には芦名最終処分場の処理機能として、想定外の「放射線物質」が含まれている可能性があることです。もちろん、処理場の建設時にはそういったものは想定外であるので、排水に対しての設備があるが、水質管理がどの程度の水準で機能するのか心配です。現時点では放射性物質の吸着装置などはないはずです。 

▼もし芦名にがれきの焼却灰を搬入するのであれば、福島第一原発に設置したような放射能の吸着装置を早急に作る必要がありますし、仮置きではなく、最終処分ということですから、長年放置しても腐食しない密閉容器に入れる必要があります。 それを実施するには準備時間と莫大な費用が必要です。
 
▼黒岩知事は「岩手、宮城県のがれきを想定し、法律上は放射能汚染とされない1キログラム当たり100ベクレル以下とする」としているますが、これはがれき時の放射線量であって、これを相模原・横浜・川崎で焼却し、その焼却灰を横須賀に持ち込むことになります。おおよそ焼却灰になれば、30倍~100倍の濃縮をすることがわかっています。とりわけ高性能の炉を持つ相模原・川崎・横浜の焼却場では100倍を超える可能性もあります。(ぜひクローズアップ現代参照してください。) 
※国の基準は8000ベクレル/キログラムですので、単純計算では、許可されている最大値で10000ベクレルを超える可能性もあります。

▼現在学校の敷地で放射線物質の高い値が出ているのは側溝などです。水のたまる場所では、当然放射性物質が濃縮されますので、焼却灰の基準値を環境専門の研究者とともに安全基準を決める必要があります。

▼当然体内に蓄積するのと同様に、キログラムあたりの放射性物質の量だけなく、総量の規制をしなければなりません。芦名の最終処分場は大楠山の山域の谷を埋め立てるようにしてあります。そこから流れ出た雨水は、小田和湾に流れ込みます。

▼芦名焼却場の河川の下流域には、たこや近海の漁業で有名な佐島漁港や長井漁港もあります。近隣にもキャベツ畑や大根畑など、出荷をしている農家の皆さんがいます。 風評被害の想定も含め、JAや漁業協同組合の皆さんのご意見も聞く必要があります。 とりわけ子どもたちに影響を与える危険性があります。
 

▼とにかく、神奈川県はきちんと地元住民に対しての説明をする必要があります。丁寧な対応をお願いいたします。 




芦名の最終処分場を建設当時のホームページを見つけました。
もともと谷間の最終処分場には、課題があることがわかりました。
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/s-kangaerukai/syuukai.htm


<東北地方のがれきの処理 

被災地のがれき受け入れへ黒岩知事が再表明、横須賀の処分場など/神奈川
東日本大震災で発生したがれき処理について、黒岩祐治知事は20日、県内で受け入れる意向をあらためて表明した。県内の市町村でがれきを焼却し、灰は県の産業廃棄物最終処分場(横須賀市芦名)などで引き受ける。
▼受け入れに前向きな3政令市の市長には打診済みで、今後は運搬方法や放射能測定頻度などを「処理マニュアル」として共同でまとめる方針。他の市町村にも働き掛け、連携して広域処理体制の構築に取り組む姿勢を強調した。環境省によると、がれきの広域処理に協力しているのは関東地方では東京都のみ。神奈川県も5月の時点で黒岩知事が受け入れを表明したが、具体化していなかった。

 知事は県議会本会議で「国民全体で力を合わせなければならない。大地震発生の切迫性が指摘される本県にとって人ごとではない」と述べ、積極的に受け入れる意向を表明。処理するのは岩手、宮城県のがれきを想定し、法律上は放射能汚染とされない1キログラム当たり100ベクレル以下とする考えを示した。
議会終了後、知事は記者団に「地元の理解が大前提」と強調。「(条件で)安心してもらえると思うが、私が責任を持って誠意を込めてお願いする」と述べ、年明けに自ら地元で説明することも明らかにした。受け入れ開始時期は「できるだけ早く」として明言しなかった。

 県の産廃最終処分場「かながわ環境整備センター」は最新技術を導入して2006年に完成した。容積は75万立方メートルで、県によると現在の使用率は18%程度。
ただ、産業廃棄物向けに建設した経緯があり、一般廃棄物に当たる災害がれきの受け入れには、地元町内会と結んでいる協定の扱いを調整する必要がある。横須賀市は「具体的にどのようなものがどういう形で運ばれるのか、地元の理解を十分に得た上で進めてほしい」(資源循環推進部)としている。

 知事の意向を受け3政令市は「大変力強い。市民の理解を得ながら、処理に協力していきたい」(林文子横浜市長)など、基本的に賛同する姿勢を示している。


埋め立て協力の意向、震災がれき焼却灰で吉田市長/横須賀市
2011年12月22日
東日本大震災で発生したがれきの処理を黒岩祐治知事が県内で受け入れる意向を示したことに関し、県の産業廃棄物最終処分場がある横須賀市の吉田雄人市長は21日の定例会見で「知事の気持ちは理解できる」と述べ、協力する姿勢を示した。「何よりも地元の理解が大切」とも強調し、処分場周辺への説明を県に求めた。

 
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吉田市長は、処分場のある地域周辺のほか「搬送車両が通る地域も含めて丁寧に説明してほしい」と県に要望。「市としても、地元の声を県に届けることになるだろう」と話した。

 がれきを焼却した後の灰を埋め立てる場所として想定されるのは、市西部の芦名地区にある県の産廃処分場「かながわ環境整備センター」。近隣には、横須賀市と三浦市が進めるごみ処理広域化計画に基づき、新しい処理施設を建てる計画地もあり、11月に地元自治会から建設の容認を取り付けたばかり。吉田市長が地元への説明を求める背景には、こうした事情もある。

 処分場をめぐって県と地元自治会の間で結んだ協定には、県外からの廃棄物を持ち込まないことや品目を8種類に限定することなどが盛り込まれている。県と地元は定期的に状況が報告される協議の場を設けているが「許可権限のない市は参加していない」(資源循環部)。

 処分場のある地元の町内会幹部は21日、「災害という特別な事情は理解しているが、ここはあくまで県内から出る廃棄物を埋め立てる処分場としての覚書を結んでいる。まず住民が納得できるよう説明を尽くしてほしい」と話した。 



芦名の最終処分場について県知事に対しての市長の姿勢をただしてきました。

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9月1日に 横須賀市議会で一般質問をしました。
     
以下、本会議質問については、横須賀市ホームページ・市議会議事録より抜粋しました。
芦名の最終処分場への被災地のがれきの搬入について質問します。
黒岩知事が、がれきの受け入れを表明したのが、5月17日でありました。受け入れる場所は本市の芦名にある「最終処分場」であります。東北の状況をみれば道義的に反対するつもりはありませんが、今回の件については、現地への事前の説明もなく、報道発表が行われたこと、がれきの中身や搬送方法が不明確である中での県の決定に問題があります。
 これまで芦名の最終処分場を建設する際には、地元住民との間で厳しい基準をもうけて、地元との合意を締結し、これまでの埋め立ても地域住民との信頼関係の上ですすめられてきました。
住民との合意文書では「飛散するアスベストは入れない。」「事前に協議をする」等がこと細かく決められています。
今回、黒岩知事の発表は地域との合意を乗り越えた勇み足の決定であったと認識していますが、いかがでしょうか。放射線被害は、福島県内のみならず、放射線物質の範囲は広範囲のものとなっています。8月号のAERA(朝日新聞社)では「拡散する放射能がれき」と題して、全国の処理場が載せられ、神奈川県では唯一、横須賀・芦名最終処分場もその一つとして掲載してありました。

最終処分場という性質上そういったがれきの処理を負う宿命を持つ場所ではありますが、放射性物質については入れないとしながらも、福島県以外でも放射線物資が検出されていることが現実に起こっています。
 
地域住民の多くは放射能汚染物資が運び込まれ、環境に人体に影響を与えないか心配しています。もちろん、大前提としてその搬入時期・搬入がれきに関わっての放射線の検査さらには、アスベスト等の検査など従前の搬入基準をきちんと守ったものでなければなりません。

市長は横須賀市の代表として、がれき搬入の問題について市民の安全安心を守る態度できちんと向き合うのか、市長のお考えをお示しください。


横須賀市長 吉田雄人市長 答弁


次に、5月の本市芦名への瓦れき持ち込みに関する神奈川県知事の表明に対する認識について御質問をいただきました。
 4月30日、神奈川県は国からの打診に対して、東日本大震災の災害廃棄物を県営の産業廃棄物最終処分場である芦名のかながわ環境整備センターで受け入れる用意がある旨を回答し、そのことを芦名の町内会長へ電話で伝えたとのことでした。正式に受け入れをすることになった場合は、改めて町内会長へ連絡することになっていました。5月17日、黒岩神奈川県知事は記者会見で、東日本大震災で発生した瓦れきなどの災害廃棄物について、芦名の処分場で受け入れる意向を表明しました。しかし、知事が正式に受け入れを表明することについては、事前に地元町内会や本市には知らされていませんでした。 御指摘のとおり県は地元と産業廃棄物最終処分場の建設、運営管理等に関する協定書を取り交わし、その中で受け入れる廃棄物は県内事業所から排出されたものに限定するとあり、またこの協定の内容を変更しようとするときは、速やかに協議を行うものとするとあります。これを考慮すると、県は地元と事前に協議の上、災害廃棄物の受け入れについて表明するべきであったと考えています。
 次に、今後の神奈川県の動向に対する姿勢について御質問をいただきました。
 御指摘のとおり市民の安全・安心を守ることが最優先であり、何よりも大切なことであると考えています。
 黒岩神奈川県知事は5月17日の記者会見で、放射性物質に汚染された廃棄物の処理は別の扱いとなっており、受け入れの対象ではないとしています。これまでのところ、県から具体的な災害廃棄物の搬入の話は来ていませんが、仮に県が芦名の最終処分場で災害廃棄物を受け入れる場合には、地元への協議が必要になり、また本市への届け出も必要となります


長谷川2問目一括
瓦れきの処理に関してですが、通知は現段階では来ていないという御答弁でありましたが、実は資料を見ると、九州であるとか、あと西日本のほうのところが実は埋め立てには手を挙げていて、順番からするとかなり早い順に関東地方、つまり横須賀の順番があるのではないかと私は危惧をしているところであります。そういった意味で、まず4つのことを確認していただければと思います。
 先ほど市長は、事前の通知と協議ということ、市に対しての届け出ということをおっしゃられましたけれども、それだけでは足らないというふうに思っています。当然、瓦れきの搬入にかかわって、どういったルートで来るのか。海なのか、それともトラックで来るのか、それによってもさまざまな課題が生じると思います。

 また、今回の瓦れきの中身について、これまでの芦名の住民と県との間での取り決めのあった搬入基準をきちんと守っていただきたい。そこの部分を再度、今後確認をしていただくこと、そしてまた放射能に汚染された瓦れきの搬入はさせないと、先ほど県のほうも言っているようでありますが、改めてそのことも確認をしていただきたいと思いますので、市長にもう一度お聞きしたいと思います。
吉田市長 
2つ目に、災害の廃棄物の持ち込みについて再度御質問をいただきました。特に事前の通知、そして搬入ルート、搬入基準の遵守、そして放射能の瓦れきは受け入れないといった4つのポイントをしっかり県に対して姿勢として示すべきではないかと、そのような話だったと思います。
 今後、受け入れの案件というのが出てきましたら、今いただいた御意見も参考にしながら、県に対してしっかりと今の4つのポイントを含めて、地元自治体として県に申し上げていきたいと、そのように考えています。


 横須賀市では市内のごみの焼却灰や下水の汚泥も捨てることはできない中で、他県の焼却灰は捨てることができるというのはどういうことなのでしょうか。千葉県流山市では、焼却灰を秋田県に送ったところ20000ベクレルを超えた放射能が検出されたことから、送り返されてきました。また、キログラム当たりの濃度だけでなく、持ち込みトン数での総量管理が必要です。その規制をどのようにつくるかが大切です。


神奈川新聞 11/
東日本大震災の余波で、横須賀市内から出るごみの焼却灰の処分費用が膨らんでいる。灰を埋め立てる最終処分場を域内に持たない横須賀市は県外の民間企業に資源化処理を委託してきたが、このうちの1社が所在する地元自治体が放射性物質に汚染された灰の受け入れ中止を決めたためだ。8月から代わりの受け入れ先に搬入を始めたものの、市は再資源化策の多角化によるリスク分散を迫られている。

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横須賀市内で出る年間10万トンの廃棄物は、市南処理工場の焼却場に運び込まれる。
焼却後に生じる灰の量は1万トン余り。従来は三重県伊賀市と栃木県小山市の民間会社2社に、焼却灰の全量を委託。高熱で灰を溶かして固める手法(溶融)や、灰を再度焼いて無害化する(焼成)手法で、路盤材などに再生する処理策をとってきた。

 震災後に横須賀市が実施した検査で、南処理工場の焼却灰から放射性セシウムを検出。国からの通知で「一時保管」を求められた濃度(8千ベクレル)は下回ったが、伊賀市が「再資源化を前提とした汚染濃度の基準が示されていない」として焼却灰の受け入れ中止を決定。8月には、搬入を当面の間見合わせると横須賀市に通知した。

 処理工場で灰をためておく余裕が乏しいため、横須賀市は代替搬出先の確保に奔走。伊賀市へ出していた量の大半は8月から、茨城県鹿嶋市の企業で受け入れて処理することが決まった。

 ただ、新たな受け入れ先の処理単価が1トン当たり7千円ほど高くなった上、新たな運搬委託費用もかさむことになる。本年度の焼却灰処理事業費は、当初予算の4億8千万円に対して、年度末の実績が5億5千万円に達する見込みだ。

 市は現在、伊賀市の企業と灰の受け入れ再開に向けた協議を進めている。一方で市は、他の資源化策や埋め立て処分なども「将来的に手だてがなくなれば研究することになる」としている。>


この記事へのコメント

海うさぎ
2011年12月23日 01:50
神奈川のがれき受け入れ表明は酷いですね。私のツイッターに使用させてください。
makimetal
2012年01月09日 02:16
芦名の最終処分場の近くに住んでいます。大変勉強になりました。ありがとうございます。ツイッターでリンクさせていただきました。
なかの
2012年01月18日 01:23
がれきの受入が本当に被災地支援になるのか、マインドの問題に誤魔化されずに冷静に考えるべきだと思います。汚い利権は絡んでいないか、総チェックが必要です!

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