郡山の小・中学校を訪問しました。

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全国で初めて「除染」を行った学校が郡山にあると聞いて、訪問した。「除染」とは、放射能の汚染から、放射能を取り除くための作業のこと。 どこでもやったことのない作業を、現場教職員と教育委員会の熱意と市長の決断によって、進められたという。
 
震災後、校庭の表土をはかると5~8ミリシーベルト/年、高いところで20ミリシーベルト/年を超える場所もあったという。
とにかく、「子どもたちの安全が最優先」という思いで、全国に例をみない取り組みが始められた。
しかし、4月の時点では、「無駄だ」、「安全だから平気だ。」「基準値以下だ。」と国や県は、冷たい反応だったという。
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しかし、子どもたちの安全を確保するために、とにかく放射能を取り除くことだという信念を持って、プロジェクトは進めめられた。

表面の表土をはぎ取るには、何がいいか検討が進められた結果、道路工事のアスファルトをはがす機械を使うことになった。センチ単位で調整がきき、表面だけが取り除くことができるそうだ。 はじめは、とにかく他の場所へ運び出そうと、運び出すまでの間、校庭の隅に積み置こうと、ビニールシートで覆った。校庭に、山砂を表土にした。 

目の前の「子どもたちの安全・安心のためにとった郡山市行動はマスコミで報道される中で、多くの市民・被災地の行政から評価された。今、この地道な作業は福島県内の伊達市をはじめ、福島県内の多くの街で実行されるようになった。
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しかし、まだ課題は多い。現在の法律では汚染した土や草を他の場所に持っていくことができないらしい。処分できない土や草が校庭に残ってしまった。雨が降れば流れ出す危険性もある。

そこで、あらたなプロジェクトが始まった。 校庭にに大きな穴を掘って、コンクリートで囲いをして、暫定的に埋めることとなった。 私が訪問したときには、ちょうどその作業をしていた。校長先生と教育委員会の皆さんが大変な状況の中で必死に子どもたちの為に目に見えない敵と格闘している姿に頭が下がった。

帰りに学校の先生が、「いつまで続くんでしょうかね」という言葉がずっしりと響いた。

 振り返ると、校庭にはひまわりの花が、風に吹かれてゆれていた。

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東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性物質を取り除くことを目的に、福島県郡山市は27日、市立の小中学校と保育所計28施設の校庭の表土を削る作業を始めた。市は「保護者らの要望」を理由として独自に実施を決めた。

 表土の除去について文部科学省は、校庭の放射線量が屋外活動を制限する基準値の毎時3.8マイクロシーベルト以上であっても、活動を1日1時間以内に抑えれば安全は保てると判断。高木義明文科相は「ずっと放射線量が下がらないとなれば何らかの検討をしないといけない」としつつ、「いまのところは必要ない」との見解を示している。

 市はこの日、午前9時前後から薫(かおる)小学校と近くの鶴見坦(つるみだん)保育所で除去作業をした。薫小学校では、委託された業者の作業員約30人が参加。散水車で水をまいた後、重機で土の表面をなでるように5センチほど削り、トラックの荷台に積み込んだ。鶴見坦保育所では約20人がスコップなどを使って手作業で深さ2センチまでの土を取り除き、袋に詰めた。

 作業を始めた後に市の職員が薫小学校の校庭で放射線量を計測したところ、地表付近で除去前に毎時3.3マイクロシーベルトだった値が、除去後は毎時0.5マイクロシーベルトにまで下がったという。

 作業員は、市と災害協定を結ぶ地元建設協会に呼びかけて確保した。除去された土は市の埋め立て処分場に運ぶ予定。市は「激しく汚染されている土壌ではないので問題はない」としている。

 市は、今月20日に市内で試験をした結果を踏まえて除去作業の実施を決めた。表土を1センチ削ると放射線量の値が当初の毎時4.1マイクロシーベルトから半分になり、5センチ削ると4分の1になったことから、効果があると判断したという。



東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性物質を取り除くことを目的に、福島県郡山市は27日、市立の小中学校と保育所計28施設の校庭の表土を削る作業を始めた。市は「保護者らの要望」を理由として独自に実施を決めた。

 表土の除去について文部科学省は、校庭の放射線量が屋外活動を制限する基準値の毎時3.8マイクロシーベルト以上であっても、活動を1日1時間以内に抑えれば安全は保てると判断。高木義明文科相は「ずっと放射線量が下がらないとなれば何らかの検討をしないといけない」としつつ、「いまのところは必要ない」との見解を示している。

 市はこの日、午前9時前後から薫(かおる)小学校と近くの鶴見坦(つるみだん)保育所で除去作業をした。薫小学校では、委託された業者の作業員約30人が参加。散水車で水をまいた後、重機で土の表面をなでるように5センチほど削り、トラックの荷台に積み込んだ。鶴見坦保育所では約20人がスコップなどを使って手作業で深さ2センチまでの土を取り除き、袋に詰めた。

 作業を始めた後に市の職員が薫小学校の校庭で放射線量を計測したところ、地表付近で除去前に毎時3.3マイクロシーベルトだった値が、除去後は毎時0.5マイクロシーベルトにまで下がったという。

 作業員は、市と災害協定を結ぶ地元建設協会に呼びかけて確保した。除去された土は市の埋め立て処分場に運ぶ予定。市は「激しく汚染されている土壌ではないので問題はない」としている。

 市は、今月20日に市内で試験をした結果を踏まえて除去作業の実施を決めた。表土を1センチ削ると放射線量の値が当初の毎時4.1マイクロシーベルトから半分になり、5センチ削ると4分の1になったことから、効果があると判断したという。









放射線:「除染急げ」 東京大アイソトープ総合センター長

児玉龍彦・東京大アイソトープ総合センター長

 「7万人が自宅を離れてさまよっている時に、国会は一体何をやっているのですか!」。東京大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦さん(58)が7月下旬、衆議院厚生労働委員会で国の放射線対策を厳しく批判したことが反響を呼んでいる。がん治療薬開発のかたわら、「行動する研究者」として福島県南相馬市で除染活動を続ける児玉さんに、政府がなすべきことを聞いた。【聞き手・青野由利論説委員】

 --今回の汚染はこれまでの考え方では対応できないと指摘していましたね。

 ◆私たちの推計では、福島第1原発からの放射性物質の放出量はウランに換算して広島原爆20個分に上ります。しかも、原爆に比べて放射線の減り方が遅い。少量の汚染ならその場の線量を考えればいい。でも、総量が膨大な場合、粒子の拡散を考える必要があります。これは「非線形」という難しい科学になり、予測がつかない場所で濃縮が起きる。だから、稲わらによる牛肉のセシウム汚染や、お茶、腐葉土の汚染といった問題が次々出てくる。

 --食品の汚染にどう対応すればいいですか。

 ◆最先端技術を使えば、たくさんの食品の汚染を一度に画像で判定できます。こうした分野で日本の技術は世界一です。メーカーに聞くと3カ月でできるという。それなのに政府は何の対策も打っていない。これから、コメや海産物の問題も出てくるでしょう。食の安全を支えるために、最新の測定装置を緊急に開発し、各自治体に多数並べ、流れ作業で検知するといった対策が必要です。

 --子どもがいる人は家の周りや学校の放射線にも不安を抱えています。

 ◆被災地のすべての自治体に「測定すぐやる課」と「コールセンター」を置くことを提案します。電話を受けたら、20~30分でいいから、家の周りや子どもが行く場所を一緒に見て回る。線量が高い場所はパッパと除染する。南相馬では、子どもだけを避難させ、家族がばらばらになっている人たちがいますが、海側などでは線量が低く、子どもがいても大丈夫な所はある。それをきちんと見て、緊急避難的な除染は「すぐやる課」が手伝うことです。

 --低線量による内部被ばくの問題は専門家の間でも意見が異なり、混乱が生まれています。

 ◆がんは何十年かの間に複数の遺伝子変異が重なって起きます。チェルノブイリ(原発事故)でも、子どもの甲状腺がんの増加が統計学的に確かめられたのは20年後です。時間がたたないとわからないので、今「安全」か「危ないか」に決着をつけるより、「測定と除染」に徹することが大事です。

 --国会では、局所的な緊急避難的除染と、地域全体を対象にした恒久的除染を分けて実施するよう主張しました。

 ◆子どもたちが安心して暮らせる環境を作るために、幼稚園などで緊急避難的に除染をしています。でも、側溝を洗った水は環境中に残る上、線量を下げるのにも限界がある。これらを根本的に解決する恒久的除染は巨大な事業になるので、「除染研究センター」を作り、まず問題点やコストを評価する。そして日本の総力を挙げ、最高の除染技術を福島に結集する。除染の方法などは住民の意見を取り入れて決める。利権がらみの公共事業にしてはだめです。何十兆円も出して「これしか除染できませんでした」ということは、日本の財政状況では許されません。

 --緊急事態に、国の動きは遅すぎますね。

 ◆私たちは、除染した後の土を残しておけず、ドラム缶に入れて持ち帰っていますが、本来は法律違反です。現行法が今回のような事態を想定していないからです。旧来の法律で手足を縛られたままで、どうやって子どもが守れるでしょう。まき散らされた放射性物質を減らすために、法整備をしてくださいと言ってきました。それを4カ月もやらずに、国は何をやっているんですか、ということです。「食品の汚染検査」「測定すぐやる課とコールセンター」「緊急の除染」「恒久的な除染」、この四つをぜひ進めてください。

 ◇「国会何やってる」 委員会発言、ネットで話題に

 児玉さんは東大医学部卒業後、内科医として臨床と研究の両方に携わってきた。96年から東大先端科学技術研究センター教授としてシステム生物医学を研究、11年からは同大アイソトープ総合センター長を兼務している。

 アイソトープ(同位元素)を使ったがん治療薬開発に取り組んでいるため、内部被ばくにも詳しい。原発事故後、福島県南相馬市の依頼で毎週末、現地に足を運び、幼稚園などで放射線量測定と除染作業を続ける。

 7月27日、衆院厚生労働委員会に参考人として出席。食品の放射能汚染で不安が広がる中、食品の放射線量測定に全力を注がず、子どもたちを守るための法整備も怠っていると、国の怠慢を厳しく批判。「放射性物質を減らす努力に全力を挙げることを抜きに、どこが安全だという議論をしても国民は絶対信用しない」と訴え、対策を具体的に提言した。その様子が動画投稿サイトなどで紹介され、話題となっている。


毎日新聞 2011年8月7日 21時54分(最終更新 8月7日 22時45分)



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